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世界の軍服紹介〜アメリカ

世界の軍服紹介〜アメリカ

アメリカ軍は軍服の歴史において、戦闘服の機能性を高めることに多大な貢献をしてきました。しかし一方で、アメリカの軍服は欧州各国の伝統的な軍服からの影響も受けているそうです。今回は、アメリカの軍服について解説します。

戦闘に特化した軍服を生み出したアメリカ

20世紀に入る頃、アメリカは軍服を「勤務服」と「戦闘用」の服に分けるというコンセプトを確立しました。これは軍服の歴史において、画期的な出来事だったと言われています。
その背景には、欧州諸国と違ってそれほど軍服に伝統的な装飾を施す必要がなく、実用性を押し出せたこと。そして、19世紀半ばの南北戦争の頃から工業化が進んでいた北軍において、既製服産業が発展してミシンによる大量生産が可能になったことなどがありました。

第二次世界大戦時には、野戦服としてフィールドジャケットが採用されます。ベトナム戦争では、熱帯のジャングルでの消耗戦という過酷な環境が、戦闘服や個人装備の機能向上を促しました。
やがて迷彩戦闘服が普及し、湾岸戦争、アフガニスタンやイラクでの戦闘を経た20世紀末からは、より先進的な戦闘装備システムの導入が推進されています。

陸軍……野戦服としてのフィールドジャケット・戦闘服としての迷彩服

1941年に登場したアメリカ陸軍の「フィールドジャケット(通称M41フィールドジャケット)」は、ウインドブレーカーをベースにしたものでした。前合わせがジッパーとボタンの二重になったこのジャケットは、野戦服として戦場に投入され、その後、改良版も作られます。
ベトナム戦争では「ジャングルファティーグジャケット」が開発され、これは一般にも人気のアイテムになりました。また特殊部隊を中心に数種類の迷彩服も使用されるようになります。

1980年代には現代型迷彩戦闘服の代表として知られる、グリーンのBDU(Battle Dress Uniform)が登場します。このあと迷彩服は一気に普及し、砂漠用のDCU (Desert Camouflage Uniform)をはじめとする、各種の迷彩パターンが研究開発されていきました。

最近では2005年にACU(Army Combat Uniform)が採用され、これは森林、砂漠、雪上、都市、夜間など全地域に対応する戦闘服となっています。

海軍……黒と白のスタイリッシュなジャケットスタイル

アメリカ海軍の軍服には礼服、勤務服、作業服、戦闘服といった種別があり、中でもよく知られているのは「サービスドレスブルー」と呼ばれる勤務服でしょう。これは下士官と士官が着用するスーツで、1919年からはダブルブレストのジャケットが採用されました。襟にノッチドラペルがあり、下士官の場合は左袖に、士官は両袖に階級章が付いているのが特徴です。

現在使われているジェケットの基本色は黒で、多くの場合スラックスも同色です。
しかし酷暑地用に、半袖の開襟シャツにパンツやベルト、革靴まですべて白で統一されたサマーホワイトという勤務服もあります。

空軍……ファッションアイテムとしても人気のフライトジャケット

アメリカ軍において、空軍に限らず、陸軍、海軍の航空隊を含めたパイロットが着用するジャケットとしておなじみなのが「フライトジャケット」です。1950年代初頭に空軍が採用したナイロン製のMA-1は、その後改良が加えられながら30年以上も使用されました。

派生型のジャケットにはフードが付けられたN-2Bや、コートタイプのN-3Bがあります。これらは一般のファッションアイテムとして、世界各国や日本でも多くの人気を得ました。

海兵隊……詰め襟、金ボタン、赤ラインの礼装用制服

アメリカ海兵隊には「ドレスブルー」と呼ばれる華やかな礼装用の制服が存在します。
上衣は詰め襟、金ボタンで、海兵隊のロゴが刻まれた金バッジが付き、周囲には赤いラインが入っているのが特徴です。シルエットはタイトで、色はブルーではなく黒、上衣の上からこれもロゴが刻まれた金バックル付き白ベルトを締めます。パンツは士官用は青に赤いサイドライン、将官用は黒に赤いサイドラインが入ります。
海兵隊というとハードな戦闘服を思い浮かべますが、一方で古き時代のアメリカの息吹を感じさせるこんな制服も残されているのです。

このように、アメリカは軍服の歴史をリードしてきた国です。また、最近ではGPSや通信装置、情報収集装置、情報デバイスを携行するなど、兵士のデジタル情報化も進行しています。今後も戦闘服や個人装備は、改良と改革が続いていくことでしょう。