迷彩柄の種類と特徴
迷彩柄の種類と特徴
ミリタリーファッションの代名詞とも言える迷彩柄。元々は敵の目を欺くためのカモフラージュ技術から生まれました。今ではメンズだけでなく、レディースのウエアや小物にも取り入れられ、ファッションシーンに欠かせないものとなっています。
ここでは、迷彩柄の歴史や種類をご紹介します。
迷彩柄の起源はドイツ軍のスプリンターパターン
迷彩柄は、今ではカモフラージュ柄、カモ柄とも呼ばれ、ファッションの定番となっていますが、その種類は実に様々。
その起源は、1931年にドイツ軍が開発した「スプリンターパターン」にあります。これは、ドイツの森をモチーフにデザインされたもので、世界で初めて個人装備品として正式採用された迷彩柄と言われています。諸説ありますが、ドイツ軍以前に他国で考えられたものはごく一部での採用だったり、本格的に研究していなかったようです。
そして、第二次世界大戦が勃発すると、ブラシを擦りつけたような「ブラッシュパターン」と呼ばれる迷彩柄を英国軍も取り入れ始めたのです。
第二次世界大戦中の迷彩柄
アメリカ軍全体で「ダックハンターパターン」と呼ばれる迷彩柄が使用されはじめたのは、第2次世界大戦中の1944年。しかしこの迷彩柄は、ドイツ軍の迷彩服に似ていたためノルマンディ上陸作戦の際に味方から間違えられ、違撃されてしまうことが多々あったと言います。そのためかこの迷彩柄は、短命で終わりを告げるのです。
同年、ドイツ軍は豆のような柄の「ピーパターン」を開発。この柄はM44にも採用され、後に開発される「リフレクターパターン」の起源になったと言われています。
アメリカ軍の迷彩柄いろいろ
アメリカ軍は、ベトナムのジャングル戦時に「リーフパターン」を開発し、80年代に入ると「ウッドランドパターン」を開発。森林での着用をメインに想定したこの迷彩柄は、アメリカ軍の迷彩柄の中でも特に有名な種類です。その後、中東の砂漠地域をイメージして生まれた「6色デザートパターン」へと展開していきます。
湾岸戦争後は、6色デザートパターンを改良した、コーヒーステイン(染み)と呼ばれる「3色デザートパターン」が生まれます。
現在の主流はデジタル迷彩
現在の主流となっているデジタル迷彩柄は、2001年にアメリカ軍が「MCデジタルパターン」を開発したのが始まりです。このパソコンを使って作られた迷彩柄は、これまでの種類とは異なり、「風景に溶け込むこと」よりも「印象に残りにくいこと」を目的にデザインされています。砂漠や市街地、森林など幅広いフィールドに対応できる迷彩柄となっています。
迷彩柄は、第1次世界大戦の頃まで「物陰に隠れるようにして敵の目をくらます」として、卑怯なものと考えられることも多かったようです。しかし、迷彩柄が発展した歴史や迷彩柄の種類を見ると、時代背景や想定フィールドを緻密に反映していることを実感できます。
一口に迷彩と言っても、パターンによってかなり雰囲気が変わるので、好みのものを見つけてくださいね。